不動態により化学的「安定」の状態 VS チタンアレルギーの矛盾

チタンという金属がイオン(*5)となって溶け出して皮膚内組織のたんぱく質と出会わないかぎり接触性皮膚炎は起こりえません。 誰の指であっても、チタンで出来た指輪は必ず不動態被膜で覆われた状態で装着されます。不動態被膜に覆われているということは、たとえ無色の地色のチタンでも化学反応性を金属として持ちえていない状態になっています。そしてこの被膜はもし指輪を愛用中にぶつけて傷がついても瞬時に再生される膜です。これはチタンの金属分子と酸素分子が吸着した化学吸着層です。酸素がある環境で瞬時に吸着層を形成します。
チタンイオンとなるということは電気化学的現象です。チタンの不動態が物理的に破壊されるかまたは化学的に消滅し溶け出すか、酸化皮膜が還元されない限り人体に影響を与えられません。強酸と言われる塩酸、硫酸硝酸にも強く有機酸である乳酸にもチタンは侵されません。(*1) チタンの指輪は酸素のある環境であれば自己再生される不動態被膜によってブロックされ、イオンになれないのです。大気中のみならずお風呂でもプールでも海水でも体内にも血管の中にさえ酸素がありますから不動態被膜を形成します。この不動態被膜をさびと混同する人がいますが、錆びは劣化して材質機能が低下することを意味します。チタンの場合は貴金属ではないにもかかわらず劣化の逆の貴な状態を保ちます。これは再生可能な被膜があるからです。

Q:では温泉に入っている状態でチタンが溶けて金属アレルギーのもとのイオンになるか? A:硫黄温泉でも炭酸温泉でもラジウム温泉でもお湯の中に酸素がありますので不動態被膜によるブロックは有効です。高濃度の過酸化水素水は劇薬ですがその中でチタンは腐食します。劇薬での実験でチタンが溶ける話は自然界のジュエリーにどう関係するでしょうか。身体が溶けて皮膚移植が必要な高濃度の酸に指輪と指が接触することはありません。つまり指が溶けないのにチタンリングだけ溶けるという環境は自然界で絶対にありえないということ。

Q:酸欠状態だったらチタンアレルギーになりますか?という仮説はどうでしょう
A: 酸素が無い状態で不動態が傷ついたら金属アレルギー反応するでしょうか?
私たちは皮膚呼吸をしています。酸素を遮断すると皮膚呼吸もできなくなり、発汗もできないと皮膚は危険な状態になります。人は皮膚からも酸素を取り込みます。酸素のないところで指輪をする環境にはありませんので、表皮上で酸素欠乏で指輪をはめるかどうかは質問がなりたたなくなってしまいます。

どんなに個人差があったとしてもどんなに大量の汗をかいても汗が乾燥して汗の中の塩化物(Cl-)ナトリウム(Na+)が濃縮されたとしても人間のからだから強酸以上の汗は出てきませんので体質が原因でチタンアレルギーを惹き起こす具体的説明はつきません。ひとによってはチタンでもアレルギーが出るというのは間違いです。ひとによって違うかもしれない特別な体質だったとしてもそもそもたんぱく質と触れる機会が無いのです。もし指輪が何かの硬い物質から衝撃を受けて不動態被膜の内部のチタンが露出したとしても、瞬時に酸素に触れ不動態被膜が形成され修復されます。どんな人の指でもチタンは不動態という保護膜で守られ続け「不活性」であり、誰の特殊な汗でも反応することはない、センシティブなお肌の下のたんぱく質と不動態の内部に包まれたチタンとは出会いようがないのです。従いましてチタンの指輪が皮膚に炎症を起こさせることは不可能な事です。もしチタンの指輪で何か症状が出るならガラスの指輪でも同じ、木製の指輪でも同じ症状が出るでしょう。何か物質が触れるだけで瞬時に反応するなら、急性刺激性接触皮膚炎の方だということになります。


本来は起るはずの無いチタン腐食の想定

地球上のどんな金属でも腐食はします。チタンの不動態は万能ではありません。ただし、酸化剤(=酸の供給源)の存在が必要条件です。酸化剤が存在してはじめて金属のイオン化が起こりうるのです。

手に穴が空くほどの強い酸にも耐えるチタンが体内で溶けたという報告がなぜ歯科から上がっているのか?

表皮と粘膜の違い
物理的にチタンに破壊が生じる可能性があると仮定してみます。
例えば表皮に着ける指輪以外に、生体内に接触するジュエリーを考えた時、ボディーピアスの穴を身体に空けて体内に傷ができた状態で体液に埋没されたチタンジュエリーが異金属(ゴールドやプラチナ)と接触し続け、例えばほっぺたに貫通させたボディピアスとか頬骨に刺したチタンに荷重がかかったり顎を動かす度に負荷がかかる部位が磨耗させられ、そこがタチの悪い細菌により産酸されてしまったとします。その場合は、生体内で細菌、微生物による膜が張られ溶存酸素が供給されない場合、不動態が破壊されチタンが「活性」となる可能性として説は考えられます。
あるいは仮説としてボディーピアスのねじとの隙間腐食や本体パーツがチタン以外のシルバー925や18kゴールドだった場合はチタンへガルバニー電流が流れガルバニック腐食が影響することも想定は出来ます。しかしながら、ネジを開け閉めするには手の届く大気中でないとボディピアスは装着できません。空気に触れていれば強固な不動態被膜で阻まれ、チタン(Ti)がアレルゲンとなることはありません。
チタンとゴールドの木目金というのは酸素が邪魔して大気中では実現していませんが、仮定ですがもしチタンとゴールドとプラチナの木目金があればそこにはガルバニー電流が体液中なら流れることは想定できます。空気中でなく生体内ならの話です。チタンでなくともプラチナと金、銀との間でも電解液となるものがあれば金属全般の腐食は溶液界面において電子を受け渡すことで金属原子はイオンとなって溶液中に移行し、浸食されるのも理論上の想定です。木目金のへそピーや、ダマスカスのボディジュエリーというのは作ってはいけないジュエリーだと思いますが、実際にガルバニー電流が微量流れたとしてもチタンを腐食させるほどのpHの強酸にはならず、溶中酸素のおかげで不動態が再び生成されてアレルゲンにはなれません。ガルバニックは理論上の電流のしくみであり実際にチタンを腐食させられるのは劇物取扱い免許を持っている人のいる実験室であって、人体の皮膚ではできません。
ピアスは純チタン製であれば確実に安全です。ファーストピアスの場合、皮膚科は純チタンピアスを推奨します。生体内にチタンが接触しますが、金属疲労が起きるような金属同志のぶつかり合いやチタンが削られる激しい磨耗が起こって不動態部分と欠損部分がアノードとカソードの電極とならない限り、チタンの不動態被膜は破壊されません。
ましてや耳たぶの皮膚よりも指の表皮の方が分厚いのですから、チタン製の結婚指輪の装着において、 そこまで条件を揃える仕掛けて誘発する炎症は、金属アレルギーというより、金属疲労に起因するか、細菌に起因するかもとの傷の炎症であって指輪に関する接触性皮膚炎ではありません。通常怪我をして体液に接触させた状態で長期結婚指輪を装着し溶存酸素を遮断し続けることは想定できません。

このように、過酷な条件によほどさらされない限りチタンは化学的に安定し続けます。
皮膚炎を発症するためには、金属イオンと生体のたんぱく質 *6 の複合体が抗原となり、白血球とリンパ球が生理活性物質を産出することで組織破壊が生じるといった作用の諸段階を経るので時差があることがわかっています。パッチテストでも症状を誘発させ陽性が出るかどうかを診る期間が2日め、3日め、一週間と判定に時間をかけるのは発症まで時間がかかるためです。

貴な金属プラチナと卑な金属と何が違うの

貴な金属を貴金属、プラチナやゴールドは安定している金属。不動態を形成しない金属です。逆に錆びて反応したがる金属=陽イオンの状態を好む=電子を放出したがる(活性化)のが鉄です。鉄という単体でいるよりも酸化物として存在する方が化学的に安定するからです。(*4)
ヒューリスティックな結論を申し上げれば「チタンアレルギー体質」という説明には無理があります


参考にさせていただいた文献:*磁性材料のミニインプラントオーバーデンチャーへの応用に関する研究

歯科のデータの問題点とジュエリーとの相違点

学会に報告されているチタンの関与を疑うアレルギーについての文献の中に[…suspected an allegic reaction with Titanium dental implants]=訳:チタンでのデンタルインプラントへのアレルギーが疑われるリアクションが…だったという報告。スクリューの形状をしたパーツをネジのように埋め込むのはパーツどうしゆるんでガタがこないためです。そこには噛むという荷重が掛かり続け、食べ物飲物のpHの違う、熱いもの、冷たいものが入ってくる複雑な世界です。そして、歯科のドクターは我々ジュエリー職人のように、直接の手でチタンのダイスとタップを刻んだりしていないのです。表面がざらざらな部分とつるつるな研磨のムラは腐食の原因にもなりえます。インプラントに使われるチタンを手で耐水研磨からバフ研磨まで鏡面仕上げをして拡大ルーペで巣が無いこと、無傷を確認し、エタノールで超音波洗浄していかなる部分にも溶接が無いと確認出来るのは技巧師でしょうか。ドクターでしょうか?整形外科で頭を縫合した時に目の前で使用しているホッチキス状針の材質を尋ねても返答できない医師も実際にいます。一方実験で成分に詳しい科学者も個々の人間に臨床の現場に居て従事してくれているでしょうか。隙間腐食とガルバニック腐食はジュエリー職人でも知っているのに、歯科技工師がそのような設計で作るのでしょうか?インプラントは構造物であり、チタンの鋳造物には巣が入ることがあります。金銀の鋳造よりもチタン鋳造の方が巣が入り易く、そこにできた孔が隙間腐食を生じさせる因子です。金や銀以上にチタンは巣が必ず入るほど鋳造は簡単ではありません。まして歯科インプラントの構造に、鋳造は巣が入るのが当然ではないでしょうか。金型はパラジウム製が使われ、チタンインプラントの製造過程でパラジウムがチタンに付着し、金属アレルギーを起こすという歯科も居ます。それは研磨不十分を認めたのと同じことです。チタンが原因ではなくパラジウムがアレルギーを惹き起こした例です。
鋳造でない場合はロウ付けです。過去のデータの中には歯科でロウ付けが行われ、接合部にはチタンより融点の低い異種金属が入っているものを含みます。異金属の接合部があるものを生体に埋入すれば、純チタンと生体のデータとは言い難いものになります。それから、ロウ付けしたときに、バーナーで炎を当てます。この時に、ロウは融点の低い別の金属が混ざっている合金を使います。そして合金として理論上均一に混ざっているとされていても炎をあてていると、金属が少し浸み出してきて分離して表面に露出しやすい金属が出ます。例えばシルバー925であれば、ヒムラと呼びますが、表面に銅がしみだしてくる現象が必ず起こります。熱せられると金属の電子が暴れているのです。925銀の場合なら皮膚には真っ先に銅が触れます。シルバー950という場合でもロウ付けが繰り返されれば銅が表面に出ている場合があり、このヒムラを除去して研磨するにはひと皮剥くような技術が要ります。こうした性質は金でも同じです。チタンのロウ付け部もこういった加工上の金属の性質は実際に触れて加工する者でなければ実感がないでしょう。

不動態の正体は?

チタンのロウ付けをすることは、金属アレルギー回避にならない為、メリットがありません。しかし、何度もロウ付けを試みると、チタンの表面に酸素が吸着して膜を張っている事をひしひしと感じるのです。O2分子の、物理的吸着、OxygenのO原子の化学吸着が起こっているのを実感するのです。ジュエリーでメジャーな貴金属ならロウ付けできるところに、チタンは酸素原子がびっしりと吸着され、バリアを張りウルトラ強い不動態を作るのがわかります。だから酸素クンの居るところではチタン同士くっついてはくれないのでロウ付けも溶接も不可です。

インプラントの際に骨に穴を空けるドリリング切削器具の刃の材質はチタンではないステンレス316L等が使用されますので、それらの金属も混入したまま施術されることも考えられます。チタンジュエリーであればロウ付けは金属アレルギーの原因ですから行いません。現在ではレーザー溶接でピアスのポストが溶接されています。金属疲労であれば設計に問題があります。不具合が症状として現れるのは鋳造の製法と構造物疲労の欠陥に起因しているのに、素材の性質との因果関係は明らかにされていません。
「内固定材による骨接合述後の金属アレルギーを疑う報告」にも不明瞭な点が見られます。LC-DCPチタンプレートが純チタンでも、そのプレートと骨を固定するscrewネジの組成がチタン合金Alloyにより、プレートとロッキングスクリューとの接点への局所的な負荷、隙間腐食と合金に起因する場合も考えられ、チタンの不適応症例と言ってしまうのは非化学的な報告です。なぜなら本当にチタンが溶出するならばチタンがいったいどうやって不動態が壊され自発的にイオン化進行するのかの過程を化学的な根拠をしめさなければならないからです。生体内で出来ないから実験室で作ったチタンイオン(Ti4+)を使わないで、生体で本当に起こるのか、なんらかの、とか、なにがしかのといった表現で解明の余地があるとし、施術の要因であるところを乳酸による酸欠などと体質の要因とすり替えないでほしい。
チタンイオン(Ti4+)を人為的に作ってからのin vitro擬似体液実験では説明できません。肝心の体内でどう不動態が侵されるかの説明が抜け落ちているのです。これでは、どうも歯科も骨折のドクターも術後の体内環境因子や力学因子よりも、材料因子に話を持って行きたがるように見えてなりません。
広島大学病院歯科でパッチテストを行ったデータの解析が平成13年から23年までの10年間のデータを解析していますが、パッチテストに使われた試料には、TiO2が使われたり、TiCl4が使われたり粉末とワセリンが使われたり、濃度もまちまちであると指摘しています。加えて、試料のチタン粉末とワセリンはパッチテスト(=PT)として不適切な試料であるとの資料もあります。ワセリンは脂溶性の薬品を浸透しやすくする為に用いられる事は多いのですが、チタンは全く脂溶性に関連しません。また、チタンを粉末にする際の切削に使われるカッターの異金属も同時にPTに混入が考えられます。ワセリンは水分の蒸発を防ぎべたつきがありますからただでさえシールを張り続けるのにワセリンでさらに汗が閉じ込められ、不衛生になればかぶれないわけがありません。ましてPTを受ける人はお肌が敏感です。歯科医師は骨へのドリリングに使う刃からスパチュラに至るまでチタン製に替えるべきでしょう。(*2)当時の古い臨床でチタンとTitanium Alloys=チタン合金を分けられておらず、歯科のチタンにはニッケルとチタンの合金と示されていました。有毒なニッケルを混ぜて弾力が必要だった歯科のデータはチタンジュエリーには当てはまらないことがわかります。金属アレルギー専門のジュエリーにはニッケルは最も使ってはいけない金属だからです。

(*5 金属イオンについてはこちらに概説していますのでお読みください金属イオンって何?

「チタンアレルギー体質」は存在しないmatome

酸素がある限り、不動態は成長し続けます。チタン製リングが優れているのは不動態という超スーパーウルトラな鎧があるおかげです。肌との反応は起こり得ない、人体の分泌物では不動態という鎧は溶かせないのですからチタンは完璧と言えるわけです。
その鎧を人工的に剥がしてしまって試験管で実験した理論は指輪にはあてはまらないのです。
チタンアレルギーの可能性を示すためには、脱不動態に至るイオン化ポテンシャルがいったいどこからくるのかを説明できていません。チタンアレルギー説というものを唱えるのは、どこかハンバーガーに猫の肉が使われているから食べない方が良いというのと似ています。味の素は石油を原料とした化学調味料だから味覚を狂わすだとか、中華料理を食べ過ぎるとChinese Restaurant Syndrome : CRSになるといったアメリカの報告、上白糖は毒という俗説*7にも似ています。

擬似体液中での耐食性の実験についての日本金属学会誌(第59巻1995)(*3)によると、人体に近い成分で実験が行われていることがわかります。実験結果によれば、チタンの不動態の耐食性の低下をもたらすと考えられる因子は体内における溶存酸素の低下です。さらにその原因を想定すると荷重による磨耗や構造によるすき間腐食とガルバニック腐食、微生物のバイオフィルム、細菌といったチタン以外からもたらされる物に因ります。チタンの性質に合わない体質のせいではなく、外的複合要因による事例です。


参考文献
*1インプラント材料とその表面 歯科学報 吉成正雄氏論文より
*2 チタンに対するパッチテスト 試薬の検討 東京医科歯科大学院研究科中島航輝氏論文より
*3 北川雅恵氏 歯科用金属アレルギーの動向 加工10年間に広島大学病院歯科でパッチテストを行った患者データの解析 2011年
*4 腐食は何故起こるのかー腐食のメカニズムと防止法 丹野和夫氏 岩手大学 工学部 平成8年
*5 種類の違う金属から発電するしくみの動画→電池がなくても異種金属から電流
*6 タンパク質からヘモグロビンまでを理解するために役立つ資料タンパク質
*7 砂糖の俗説を排す
*8化学音痴が化学を論じる危険


チタンの作られるしくみとチタンリングが産まれるまでの工程

チタンの性質、他の実用金属と比べ優れている点、チタンと人体の親和性についての研究

チタンのデメリット&チタニウムの指輪の良いところ

チタンの結婚指輪をはめているカップル

チタンのデメリット1: 以前はサイズをきつくお直し加工をできなかったのがデメリットだったのですが、現在は完成前のご試着の段階なら小さくお直しできるようになりました。大きく伸ばすこともできます。何号でもきつく詰めてサイズダウン、サイズアップが可能になりました。完成後サイズを詰めるお直しのためには、切断して不要な部分を落としたのち、溶接し輪に繋げなければなりませんが、チタンの溶接に必要な環境である酸素を遮断し、アルゴンガスを充満させた状態をつくりださない酸素分子の吸着が強すぎてチタンの分子同士が吸着できないからです。サイズをあとから簡単に直せるという道が断たれている分、私どものサイズに対するスキルを格段に上げてくれました。むくんでも、寒さで引き締まっても快適に着けられるサイズで作る技術が要求されブラッシュアップされて参りました。後々直す必要のないサイズの選定にはこだわりを強く持っています。サイズに対して徹底してシビアになることで指輪サイズに熟練しています。

チタンのデメリット2:「生産性の面からみた困難な加工条件と加工コスト高」: チタンを溶解加工する場合、大気中においては、酸素や窒素と発火反応するため、真空状態または不活性ガスを充満させた耐1668℃の溶解炉が条件となりますので一般の設備では難しく、プロドットコムでは医療機関の工程に依頼し発注しています。高融点で溶かすためのエネルギーを要することや特殊な溶解炉を使用するため他の金属より加工コストが高くなっています。

やっぱり結婚指輪は丈夫さが命

チタンは強い

「指輪の材料としてのチタンの良いところ」

プロドットコムで加工するチタン独特の美しい色(干渉色)はチタンの陽極酸化皮膜によるものです。 色の美しさをデザインに活かしています。この色加工によりチタンの耐蝕性は向上します。純チタンという金属は化学的に活性な金属で、チタン自ら表面に数ナノメートル厚のごく薄い酸化物の皮膜(不働態皮膜と呼びます)を形成します。あたかも生物が皮膚を再生する生態のように、皮膜を作ることで、外界からの腐食をしないよう、チタン自らが自分の身を守っている、まるで生物のような金属なのです。

プロドットコムのチタンは変色変質しません。 シルバーは置いておくだけで黒くなってしまいますがチタンはまったく黒くなりません。当工房には17年前に制作したチタンリングのサンプルが多数展示されています。手にとってお確かめください。非磁性100パーセント----多くの金属が磁気障害を起こすのに対し、チタンは完全な非磁性を要求される機器環境にも万全な素材です。

「純チタンと生体への安全性」皮膚にやさしい利点

 

他のメタルに比べ、イオン化しにくい耐食性による人体への親和性が高い金属です。人体への無毒性、機械的強度、生体との適合性の高さから最も優れた金属として医療への実用が進んでいます。チタニウムホワイトというチタンが配合されたチューブの油絵の具は30年前から使っていましたが、現在身近かなところではチタンの微粒子が日焼け止めやファンデーションなどの化粧品やガム、歯磨き粉にも配合されています。チタンを使った歯ブラシまであるそうです。

「酸化チタン光触媒による抗菌、脱臭効果」: 酸化チタン(特にアナターゼ型TiO2)が光(=紫外線)触媒作用を持っていて、匂いや汚れ成分を分解し浄化します。酸化チタンの表面にたくさんの紫外線が当たりますと電子移動によって酸化反応が起こるしくみです。建設中ビル壁やタクシーの車内など日常でチタン光触媒使用いうステッカーを目にするようになってきました。

体内で生命維持に寄与している必須の金属なのに金属アレルギーを引き起こす不思議

生体に寄与する金属

金属って体内に入ると良くないのでしょうか?

鉱物を取り込んで進化してきた人間

金属ははじめから体内に存在しています。生命の起源をさかのぼると、生命体は海溶中で発生し鉄Feを利用し進化しました。シアノバクテリアによる酸素の出現によりマンガン、銅、亜鉛、モリブデン、コバルト、バナジウムなどの金属元素を取り込みながら陸へと進化していきました。地球上にある鉱物をとりこんできたために、ヒトの血液中に存在する元素と海洋中の元素とは、濃度が大変似通っています。ヒトの体内に見出される金属は、たんぱく質の中にあって酸素の運搬、貯蔵、生体信号の伝達など命の本質に寄与しています。生命維持の化学反応に必須の金属が体内にもともと在りながら、皮膚の外から侵入する金属元素に触れて、それをアレルゲンとし、金属アレルギー反応を惹き起こすのはいったいなぜなのか、からだに亜鉛がもともとあるのに、汗でアクセサリーから反応した亜鉛にはアレルギーとなってかゆみを発生させる、永遠の研究テーマとなっています。

鉄は体の中で重要な役割を担います。血液中にある『ヘモグロビン』には鉄が含まれています。ヘモグロビンに含まれる鉄と酸素が結びついてくれるおかげで、酸素を体中へと運搬できているのです。

鉄の赤さびがついたフライパンで作ったものを食べて人体に害はないかというご質問もありますが、酸化鉄の赤錆びはすでに酸素と固く結びついた状態の反応性を持たない鉄となっていますので、口から入っても身体を素通りして出て行くだけですし、酸化チタン入りのシュガーコーティングされたマーブルチョコやガムや頭痛薬を経口で摂取しても酸化チタンは身体を素通りするだけです。

アレルギーを惹き起こす免疫IgE

血液にある『ヘモグロビン』には鉄が含まれているのです。 ヘモグロビンに含まれる鉄と酸素が結びついてくれるおかげで、酸素を体中へと運ぶことができているのです。

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