アクセサリーのためにパッチテストを受けようとする人が気をつけるべき点

皮膚科のテストの金属と実際のアクセサリーの金属は同じではない点

皮膚科には最も一般的な結婚指輪の材質Pt900の項目は存在しませんし、18K ゴールドもシルバー925の項目もサージカルステンレスのテストも項目も存在しません。プラチナとして市販されるジュエリーの表面はロジウムで覆われていることも、スプーンのステンレスとサージカルステンレスの成分の違いも皮膚科のドクターはご存じないと思います。silver925の指輪なら鋳造が多くロウ付けはないと思われますが、シルバー950の指輪ならほぼロウ付けがされていて、銀に亜鉛の混ざった2分ロウ~3分~9分ロウまで融点温度の違う合金を使用して接合しますので、例えばシャンパンゴールドの指輪への反応を知りたいテストなら、金だけでなくロジウム、ニッケル、亜鉛も銅も銀の反応も知る必要があります。ステンレスへの反応を知りたいなら、鉄メインにクロムもニッケルも混ざっていることを知っておいてください。

パッチテストは副作用を起こすin vitro人工的な化合物から成る薬剤での誘発検査

金属アレルギーのアレルゲンを特定するのに有効な手段として唯一の方法がパッチテストです。 これは、金属そのものではなく、皮膚に浸透できる金属イオンが溶けた状態の薬剤を塗布したシールをはり、皮膚に反応を誘発させて結果を判断するものです。例:プラチナ=塩化白金酸、ゴールド=塩化金酸、シルバー=臭化銀、カッパー=硫化銅、アイアン=塩化第二鉄。
いったいなぜ人の汗と金属の反応のテストに塩化金酸が使われるのか?の疑問と答え→皮膚科にわからない金属アレルギーパッチテストの試料金属とアクセサリーの金属 通常、絆創膏でも毎日張り替えて衛生的に保ちますが、このパッチは48時間以上お風呂に入らず張り続けるテストです。金属アレルギー反応が遅れて現れることが多いため、パッチをはがしたあと7日目も検査に通います。 薬剤は、強い酸に金属を溶かし水溶性になった金属イオンなので、そのままでは皮膚に危ない劇薬ですが100分の1~2に薄めてあります。反応があると、かゆくなりますが、掻いたりしてはいけません。濃度が身体にとって強すぎた場合は、ただれてしまったり、色素が沈着してうっすら跡が残ったりしますので、どうしても疑われる反応を知りたい金属に絞ってテストする方が望ましいと思います。接触性皮膚炎だけのためでなく、その金属を含む食品摂取や化粧品への影響まで知る上では生活を向上させると思いますが、副作用とを鑑みて、アレルゲンの特定の有益性がパッチテストの苦痛を上回るという場合にのみ、慎重に受けた方が良いと考えます。
皮膚科の医師が試薬を手で作ったりするのではなく、製薬会社の作ったものが1セットになっているので一度にたくさんの項目をテストすることは可能ですが、項目を見て見るとアクセサリーには絶対に使われない試薬がたくさん混ざっています。現代では有毒性が広く知られ使われなくなった水銀のテストは受けたくない項目です。大きく報道され、社会問題になった水俣病は水銀が原因でしたし、怪我をしたときに赤ちんを塗っていたのは昔のはなしです。現在は水銀が使われた体温計もあまり見ません。
社会問題だった六価クロムも、項目に入っていますので注意が必要です。六価クロム=重クロム酸カリウム。カドミウム汚染のイタイイタイ病の原因だったカドミウムもセットにありますので、除外して良いと思われます。

チタンの不動態被膜があれば、化学反応を起こす金属ではない状態:金属の例外

チタンだけ例外なので試料がセット内にありません

チタンを検査したいと申し出るとわざわざ取り寄せることになります。酸化チタンがアレルゲンになることは無く、試料薬も統一されておらず、パッチテストとしては正確性に欠けています。試薬が塩化チタンの場合もあれば酸化チタンの場合もあります。酸化チタンは不動態被膜にブロックされていて、アレルゲンになる可能性がありませんので、パッチテストで陽性になることは無いにもかかわらずなぜか試料として入っています。試薬の塩化チタンは、原液は有毒ですがそれを1%あるいは2%に希釈しチタンが実験室で人工的にイオン化されたものです。化粧品やシャンプー、石鹸類等の液体に添加されたイオンを調べる目的でなら有効な面もあるかもしれませんが、ここ固体のジュエリーの目的に限っては意味がありません。なぜなら、自然界において固体の金属チタンが人間に触れて塩化チタンという化合物になることは絶対に無いからです。
その他にチタンの金属の塊をやすいでやすって粉末にしたものをワセリンに混ぜて塗りパッチテストする場合もあります。これも酸化チタンと同様、酸素に触れた酸化チタンはワセリンでは絶対に溶けずイオン化しないので人体に対し絶対にアレルゲンにはなれませんので陽性反応も出ません。陽性反応を示したとしたら、それは絆創膏かぶれと同じ、シールの刺激性皮膚炎か汗で蒸れて不衛生になった結果の炎症の可能性があります。入浴可能の防水性のパッチもありますが、ますます皮膚がふやけていきます。ふやけた表皮は角質がやわらかくなり反応しやすい状態になります。強く反応し過ぎて皮膚にかゆみや炎症、水ぶくれや色素沈着が起こってもすべて自己責任になって、体質のせいだということになってしまいます。自分で十円玉をレモンやお醤油のアミノ酸で洗うことで新品のようなきれいなピンク色になりますから、そうした硬貨を手首の内側に貼りつけるだけでも銅の反応が出るひとには出ます。亜鉛の反応は5円玉、アルミの反応なら1円玉でできます。シルバー925のアクセサリーの反応は、銀+銅+亜鉛の反応が出ます。一般にはなかなか手に入らないと思われる純銀の指輪、純金も、純銀も、接続部分だけには、合金を使って融点の低い金属でロウ付けしてあることがあります。接合部が何もない純金のジュエリーと合金が一部使われたジュエリーとでは反応が違って出ます。一般には純プラチナ1000といういわばソフトプラチナは入手が難しいジュエリーです。いわゆるpt900は1割プラチナ以外の金属が混ざり合っています。
このようにパッチテストで陰性だからといって、アレルギー反応が出ないと言えないのがパッチテストの不確かなところ。偽陰性といったり偽陽性と言ったり、結局体質のせいにされます。パッチテストの結果の信頼性は、可能性のあるアレルゲンを特定できても、アレルゲンから除外できる金属は特定できず、可能性をゼロだというお墨付きはもらえません。従ってこの金属だったら安心であるという結果はパッチテストからは得られないことになります。将来的に金属アレルギーの反応がでるかもしれないリスクは永遠に残ります。ただし例外金属のチタンはアレルギーは出ません。それならば、最初からチタンリングで安心なのです。
チタンの場合は、空気に触れると不動態という被膜によって、化学反応しない「貴」のふるまいをする性質を持っています。皮膚のかぶれやすい体質かどうかに関係なく、反応は出ない材料です。一方プラチナや金、チタン以外の金属は人の汗から出る酸によって金属イオンが放出され、その金属イオンが皮膚に入り込みますので、純プラチナや純金のジュエリーと思ってもフックなどほんの一部のパーツから反応をきたすリスクは留意するべきだと思います。

肌の皮脂膜の水素イオン指数をpH(ペーハー)と言います。純チタンならなぜ絶対に金属アレルギー反応が出ないのか、電気化学的根拠はこちらに概説しました。お読みください。

チタンは海水でも血液中でも溶存酸素がある環境なら不動態被膜を形成し続けます。

pHって何?

金属にも不動態というバリアが在るように、皮膚にもバリア機能があります。皮膚の皮脂膜は酸外套という弱酸性の皮脂がコーティングの役割をしています。

お肌のpHによって金属アレルギーの反応が違ってくる?

金属アレルギーになる体質が関わっているのではなく、金属が溶出する諸条件が関与しています。
人の皮膚は脂性肌ならpH4.5~乾燥肌ならpH6.0の幅がありますが、極端にレモンのようにpH2.3傾いたとしてもpHは時間を経て回復します。pHが極端に傾いても、人の身体というのは、正常値に回復させる力があります。草津温泉のpHは1.6~2.3で、眼に入って刺すように痛みを覚えた強烈な記憶があります。肌の敏感な人や幼い子どもには刺激が強い温泉成分です。レモン以上に強い酸です。それでも肌のpHはどのようなコンディションでもこの数値の範囲内を保つことがわかっており、チタンやゴールドやプラチナを溶かして金属イオンを放出させ、皮脂膜のたんぱく質を変えてしまうような挙動は起きません。

ジュエリーの金属アレルギーと歯科の金属アレルギーは環境が違う

表皮の上に着ける指輪の場合、金属イオンとなり得ないしたんぱく質と結合したり化学反応ができません。
しかしながら、表皮ではなく、口腔内のインプラントの場合はpHが著しく低下する報告があるのは、一時的に飲食物によってpH2近くまで下げられてしまうことと、そこに微生物と隙間腐食による電流の諸条件が重なるからです。
人の体内は炎症状態だったとしてもpH5.2程度までしか下がらないとされています。これは表皮のpHの範囲内の数値です。体内だからチタンが溶けるわけではありません。ボディジュエリーの場合も体内でチタンピアスは溶けません。
ただし、歯科のチタン製インプラントによるイオンの溶出とは微生物による膜が作られる特殊な環境が関与するため、あてはめることはできません。インプラントの場合、複数の金属パーツを埋入すれば、局所的に差異ができたり隙間腐食も関与します。つまりインプラントでチタンに対するアレルギー反応を疑う報告があっても、ジュエリーとは別の環境での挙動であって、めずらしい体質の人がいて、チタンアレルギーが見つかったという種の報告では決してありません。

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