金属アレルギーにならない結婚指輪

チタンピアスのポストに要注意”めっき”と純チタンは違う

チタンだとされて購入したアクセサリーにアレルギー症状が出たのはチタンという表示に嘘があったという証拠

純チタンの色はグレーです

純チタンではない何かのめっき仕様のピアスポストをパーツとして使っているチタンピアスの画像をSNSで見かけます。#チタンピアスの画像を見ると、チタンの色はグレーなのに、金色のポストでチタンピアスと言って掲載しているのでめっきなので要注意です。実際にチタンという金属を自ら加工しているのでない、パーツを組んでいるだけのチタンに知識のない方にも簡単にハンドメイドとして販売できる時代だけに、購入者側も本当にチタンなのか、それとも別のめっきなのかを見極めなければいけません。

チタンアレルギー症状

ヒトの体質の違いによってチタンでも反応する人がいるのですか?

まず、チタンは酸素吸着により酸素との化合物の層に覆われており、化学反応を終えているのでそれ以上誰に対しても反応しない金属です。

チタンを覆う酸素分子吸着層はチタンの性質上メリットとデメリットがある:メリットは金属としての化学反応を終えているので人体に反応しない安全性。デメリットは溶かしても酸素に邪魔されて溶接がくっつかない点。酸素との結合のせいで加工上チタンとチタンを溶かしても接合できないのです。

チタンアレルギーという症状があると唱えられるケースは何でしょう。本当にチタンアレルギーの根拠となる研究結果を示すべきですが残念ながら誰もチタンアレルギーの根拠を説明できていません。アレルギーという反応が起こるためには、チタンは脱不動態が起こる根拠をしめさなければおかしい。

チタンはチタンでもチタンにはTi,TiO2,それに化学式で表すとTiCl4 正確には四塩化チタンなど化学的な化合物で、チタンと名のつく元素、塩化物など別の物質が混乱されがちな点をまず挙げておきます。
チタンは金属の固体、塩化チタンは液体です。塩化チタンに肌が触れ、アレルギー反応が出た場合、赤く炎症を起こしたり他の金属アレルギー同様の症状が出ることはあったとしても、塩化チタンと二酸化チタンはまったく別ものです。塩化チタンは正確には四塩化チタンで刺激物です。一部の皮膚科のパッチテストで作られるチタンの試料としての塩化チタンは薬品を使って人為的に液体に溶かした金属イオン水溶液です。四塩化チタンは皮膚科にしかありませんので、通常の環境で四塩化チタンに人が接触する機会というのはほとんどありません。絶対にないのは、塩化チタンでできた指輪。液体で指輪は作れませんので、そのようなジュエリーはありません。四塩化チタンは水と反応して白い煙を出すので航空ショーでつかわれている薬品です。
それとは別の皮膚に接触する指輪のチタンは酸化被膜のできたチタンです。こちらは皮膚に接触して皮膚炎になったりチタンアレルギー症状を起こす事はありません。四塩化チタンアレルギーというのはあっても指輪のチタンによるアレルギーは起こり得ません。なぜなら個体であるチタンは、液体に溶けない限り皮膚へ接触性皮膚炎を起こし得ないからです。皮膚へ侵入するということは、個体から液体にならなければ化学反応はおこりませんが、チタンが自発的に金属イオンになるためには酸素を除去された環境が必要です。これは、チタンという金属分子には酸素分子が吸着する性質によるものです。酸素を除去するにはかなり特殊な環境を要します。通常、人間が生活する環境では、酸素を除去することは困難です。酸欠では生きていられないからです。つまり、そのような特殊な環境下で指輪をはめる機会がないので、チタンアレルギーは指輪に限って言えば起こり得ないのが結論です。

資料*体内にチタンを施術する場合のチタンアレルギーに関する文献

チタンアレルギーを起こす四塩化チタンのパッチテスト

刺激物によるパッチテスト

刺激物である四塩化チタンの試料をテストする皮膚科がすべての皮膚科ではありません。チタンの個体を削って粉末にしてワセリンにまぜる試料を作る皮膚科もあります。皮膚科の医師の手で、ピアスを実際に削り粉にしてテストするものも危険で、金属片の刺激を伴います。手作業でチタンをナノレベルの粉末にすることは不可能だからです。化粧品のファンデーションや日焼け止めローションに含まれるナノレベルのチタン粒子、つまり患者自身が酸化チタン入りの日焼け止めを塗ってテストすれば事足りるわけです。現在はすべての病院において「共通の試料」というのがチタンに関してはありません。指輪と四塩化チタン溶液は別ものですので、勘違いしないようにしたいものです。ジュエリーに知識のない皮膚科でのテストで使用される試料が四塩化チタンであった場合、それを除外してもらうことが賢明です。

あなどってはいけないアレルギー検査

臨床研究を行う上で慎重さが専門医にも求められています。アレルギーというのは金属アレルギーに限らず、食物アレルギーは原因を特定するのがとても難しく、検査、調査のために、摂取治療、負荷検査が行われます。アレルギーが出るとわかっているものをあえて経口負荷試験させることで、重い後遺症が出ています。

真に良心的な皮膚科を探そう

皮膚のパッチテストは負荷をかけ、症状を出させるという苦痛を伴うにも関わらず確実性は保証されず、原因の特定もあいまいです。ですからもしも結婚指輪のためにという目的であれば、皮膚のパッチテストを希望して受診しても、意味がないからと断ってくれるクリニックが最も良心的な皮膚科クリニックです。

金属アレルギーというと皮膚だけですか?

皮膚に触れて金属イオンが侵入することだけが金属アレルギーではなく、食物に含まれるミネラルのアレルギーも金属アレルギーです。ニッケル、クロム、コバルトなどはチョコレート、ココア、豆類、香辛料、貝類、胚芽などに多く含まれています。誰もがいろいろなアレルギーを持っています。震災の避難所で非常食などアレルギー除去食などの対応が増えるよう、もっと金属アレルギーが周知されるといいと思います。

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