人生の節目に登場する指輪と縁起、迷信

結婚式を大安吉日に挙げても離婚したカップルもいれば、仏滅に挙式して幸せな家庭を育んでいるところもあります。そうした逆境で揺らぐ事がないほどの確固たる結び付きだとも言えるでしょう。
新車の交通安全祈願のお祓いに行った日に交通事故で廃車になってしまい、お祓いに行ったこををあとから嘆いている人もいます。風水を信じすぎて住みづらい家になってしまうこともあることからもわかるように、迷信とは現代にそぐわないこともあります。気にする、気にしないは人それぞれですし、仏滅に結婚式は大丈夫でも、友引に告別式をできるかはわからない人もいます。迷信や言い伝えのほかに、現代には資源の呪い(*s)もあります。

結婚指輪の歴史

歴史をさかのぼってみると結婚指輪とは、文字もない時代に、指輪が契約の役割を果たしていましたから、結婚指輪というのはとても大切なアイテムだったとわかります。結婚という契約によって縛りつけておきたい意図があったわけですから、指輪をパートナーが紛失すれば何かが起きると暗示をかけたり指輪が割れたり破損すればよろしくないことの前兆だとほのめかし、お相手のことも、結婚指輪のことも大切にするよう仕向けられていたと考えるのが自然でしょう。
欧米の人は結婚指輪をはずすことはなく、結婚してからずっとはめ続けているのも、結婚指輪をはずすと愛が冷めるとか、人に指輪をはずしてもらうと幸運が逃げるという言い伝えからきていることかもしれません。

円は永遠の象徴

円は完璧なかたちであり輪の中に遠心力と求心力が同時に内砲され、輪は単なる指輪を超越したコスモロジーでした。円は成就、継続の象徴とされていましたから、円が途切れることは好ましくなかったのでしょう。
古代から人々は円形にこだわりを感じ、腕輪、指輪、帯、冠といった円形の装飾品を身に着けました。

イタリアのフェデリング

イタリアのフェデリングは、手を握り合っているデザインの結婚指輪があります。これも固い絆、契約を示唆しています。何が何でも離れないというのに、ギメルリングというのがあります。2重、3重になったリングも、切っても切れない結婚指輪を現しています。ジューンブライドの慣習もヨーロッパのものです。
ジャンコクトーのためにデザインされたカルティエによる3連リングはこのギメルリングの発展形でしょうかそれとも三位一体の象徴の発展形でしょうか。3つのリングが切ってもきれない、離れない構造のローリングリングです。

日本の指輪

日本国内では弥生時代の指輪はシンプルなものが出土しましたが、その後古墳時代に出土したアクセサリーの中で、イヤリングや勾玉のペンダントは多数出土したにも関わらず、リングは九州でほんの数個発掘されていますが、日本全土で広く指輪が普及していたというものではありませんでした。農耕稲作に指輪が邪魔だったのか、神社でまず手水で両手を清めることからも、手にとって指輪が適さなかったのかもしれません。日本では指輪よりもかんざしや根付けの文化が花開きました。

サイズ直しと縁起

サイズ直しが縁起が悪いというよりは、円を切るということが、幸運を切断することに繋がるとされてきた歴史があります。指輪とは始めも終わりもない循環の象徴でもあります。円を完璧なかたちと捉え、結婚を円環のイメージになぞらえたローマ時代から円は神聖とされてきました。
これに差し障りがあるとすれば、小さくサイズ直しする時の切り詰めるという作業であってサイズ直し全般ではありません。指輪を小さくするには、余分な部分を切り捨てなければなりませんから、これは円環を途切れさせ、切っても切れない縁をも離れさせてしまうのは、結婚という縛りを解いてしまうことにつながったのでしょう。日本においては、愛のシンボルは円よりもハートのイメージが強く、円が切れても平気な人は多く、ハートが切られるイメージの方が避けたいものと刷り込まれているようです。

世界で最初のストーンセッティングの指輪とチタン

ギリシャ神話に出てくるゼウスやヘラクレスといえば、石膏デッサンを思い出しますが、ティタン(タイタン)の神も登場します。
主神ゼウスに背いたプロメーテウスが、人間に火を与えた罪で、岩に鎖で繋がれる神罰を受けるくだりがあります。ゼウスは、怒りにまかせて重い罰をタイタン属(天と地を父母とする巨人)の子プロメーテウスに与えたことを後悔するようになり、のちに人間の英雄ヘラクレスがコーカサス山からプロメーテウスを助け出したとき、それを黙認したのですが、プロメーテウスを永遠にコーカサスの岩に縛り付けるという罰は、主神ゼウスといえども取り消すことが出来なかったので、ゼウスはプロメーテウスを縛っていた鋼鉄の鎖(チェーン)をひとコマ取って、そこにカウカソス(コーカサス)山の岩(鉱物)のかけらをはめ込み、輪の端を閉じて一つの指輪を作りました。その指輪をはめたプロメテウスは、自由の身でありながらカウカソスの岩に鎖で繋がれている、ということになるので、それで罰は完結する、というストーリー。このとき繋がれていたチェーンのひとコマを輪にカウカソス(コーカサス)山の鉱物(岩)をひとかけらはめこまれた指輪、今で言うストーンセッティングされたリングが、世界最古の指輪として神話化され、印章指輪のルーツともなり、指輪が拘束の象徴ともなっています。金属チタンの命名もタイタンの神からとっています。


資料参照橋本コレクション国立西洋美術館 指輪展(2014夏 上野にて)

参照(*s)資源の呪い


ストーンセッティング

ハンドメイドの良いところ

手作りの指輪。そうでない指輪。手作りじゃないとすると機械で量産の製品。手作りならいろいろな細かい注文をつけて調整したり簡略化したり強調したり目立たなくしたり。工房で職人に頼むともっとこういうのが欲しいというリクエストもし易いと思います。

手作りならではの良い点はなんといっても融通がきくところ。カスタム、ほんのちょっとだけの個性的なアレンジ。フルオーダーというほどではなくても、ほんのちょっとした工夫でオリジナルの結婚指輪が可能。 結婚指輪への思い入れをひとつ組み込む。それがオーダーメイド、ハンドメイドの良いところ。職人に直接オーダーすれば、さらにいいアイデアがでてくることも。一点もののオーダーは職人も喜びます。その場のやりとりの中から新しい作品が生み出される、こんな幸せなことはないのです。ぜひ足を運んで一点ものを生み出して欲しいと思います。

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